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中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 ― 同一事業年度に改正前・改正後の制度の対象期間がある場合 ―

 平成18年度の税制改正で、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、改正前は無制限であった取得価額の合計額が、年間300万円の限度額が設けられるとともに、適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長された。
 この改正は、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得等した少額減価償却資産について適用されることとなっており、適用時期が事業年度による区分でないことに留意する必要がある。


1.改正の内容及び適用時期

(1)改正の内容
  中小企業者等で、青色申告書を提出する法人が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得等して、その法人の事業の用に供した減価償却資産で、その取得価額が30万円未満であるもの(以下「少額減価償却資産」という。)を有する場合において、その取得価額に相当する金額についてその事業の用に供した事業年度において損金経理をした金額は、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される。
  ただし、その少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(その事業年度が1年に満たない場合には、300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を乗じて計算した金額)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの金額が限度となる(措法67の5(1)、68の103の3)。
(2)適用時期
  法人が平成18年4月1日以後に取得等する少額減価償却資産について適用され、平成18年3月31日以前に取得等した少額減価償却資産については、なお従前とおりとされている(改正法附則119)。


2.同一事業年度に改正前・改正後の制度の対象期間がある場合の取扱い

 上記のとおり、本年度の税制改正において中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、年間300万円の限度額が設けられた。
  ただ、この制度の適用時期については、他の多くの改正事項が事業年度を区切りにしているのとは異なり、取得時期を制度の対象期間としていることに留意する必要がある。
  この制度は、平成15年度の税制改正において創設されたときから取得時期を制度の対象期間としており、旧法では、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得等した少額減価償却資産を対象としていた(旧措法67の8)。
 今回の改正においても、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得等した少額減価償却資産を対象としており、この規定の経過措置の改正法附則第119条においても、この法律の施行日以後に取得等する少額減価償却資産に適用されることとされている。そして、平成18年3月31日以前に取得等した少額減価償却資産については旧法が適用されることとされている。
  したがって、同一事業年度に改正前・改正後の制度の対象期間がある法人については、平成18年3月31日までに取得等した少額減価償却資産については、300万円の限度額がなく、その取得価額の全額が損金算入され、平成18年4月1日以後に取得等したものについては300万円が限度額となることに留意する必要がある。


3.改正に係る具体例  

この制度の適用については、3月決算法人の場合には、事業年度末が改正前・改正後の制度の切り替えの時期と同一のため影響はないが、平成19年2月決算期までの法人については、平成18年3月末を境に新・旧制度を別々に適用することになる。
 例えば、平成18年9月決算法人を例に具体的に検討してみると次のように計算することになる。

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(1)平成17年10月1日から平成18年3月31日までに取得等した少額減価償却資産については、上記のとおり旧法が適用されるので、その取得価額の合計額に制限がないので取得等したすべての少額減価償却資産について、その取得価額の全額を損金に算入することができる。
(2)平成18年4月1日から平成18年9月30日までに取得等した少額減価償却資産については、新法が適用されるので、その取得価額の合計額に300万円の限度額が適用される。ただし、その限度額は、事業年度の残りの月数で期間按分することなしに、その6ヶ月分についても300万円の上限額が認められる。


4.明細書の添付要件

 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例については、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り適用される(措法67の5(3))ことになる。
 旧法(旧措法67の8(2))においても明細書の添付要件があったが、明細書の添付に代えて減価償却資産の償却額の計算に関する明細書(別表16(1)又は(2)等)の「備考欄」に、この制度の適用を受けている旨及び取得価額を記載し、明細書は別途保管していれば適用を受けることが認められていた。
 新法では、新たに別表16(6)が新設されたので、別表16(6)に記載し確定申告書等に添付する必要があるので留意する必要がある。

出典:TKC税務研究所