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杉下税務会計事務所
税理士 杉下成之
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その他
従業員賞与の未払い計上について
(本論に入る前に、予備知識が必要なので、少し角度を変えて話に入ります)
会計では、法人の「事業年度の間の収益と費用は対応する」という考え方があります。これを「費用・収益対応の原則」といいます。「この収益を得るために、この費用がかかる」という、ひも付き関係があるという意味です。
収益とは代表的なものに「売上」があります。これは必ずしも現金や手形の入金等があった時に、経理上において計上するのではなく、契約が成立したり、商品を引き渡したり様々な基準により計上することになります。
一方、経費の方も前述の収益と同様の考え方があり、必ずしも「出金」が伴っていないと経費として計上出来ないわけではありません。納品を受けている商品や、購入契約をした時点などの基準によって、経理処理することになります。
今回述べます「賞与」は、通常、支給するのが「夏」「冬」という季節的な支払になるため、賞与支給の直前に決算を迎える企業は、「目前に賞与の支給という大きな経費があるにもかかわらず、直前の決算で計上できないなんて...。」と思っておられることもあろうかと思われます。
税務では、たとえ支給時期が来ていなくても、それまでの期間において「賞与の支給額が積み上がっている」と考えて、「賞与引当金」というものを、一定の計算方法で計上することを認めております。冒頭に述べました会計の考え方、「費用・収益対応の原則」では当たり前のことですが、税務でもそれに追随しているということです。
しかし、税の「国家の財政を担う」という機能から、昨今の財政難においては税収確保のために「法人の課税ベース」を拡大する方向へと進み、賞与引当金も段階的に縮小され、平成14年度を最後に廃止されることになっております。
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前置きが長くなりましたが、
それでは、決算期末に支給が確定した賞与、言い換えれば、仕入代金のような一般債務と同様に、実際に支払うのはもう少し後であるが、支払うことは決まっているという状況の「賞与」はどの様になるのか? が問題となります。
支払が確定したものについては、従来より、賞与引当金として費用計上するのではなく、「未払金」として「確定した債務」扱いで費用に計上していました。ただ、どういう条件をもって「確定した債務」と言うのかについては曖昧なところがありました。
注意を要する点は、実はこの3,000円基準は、この議論に関するどこの法律・通達にも 書かれてないということです。
安全なラインという意味で参考にすべき金額であるこ とには違いありませんが、金額だけで判断してはいけません。金額が少額でも、スナックやカラオケへ行った場合は、そこでどんな込み入った話をしている場合でも「通常、会議を行う場所」ではありませんので、交際費に該当します。
そこで、上述の「賞与引当金廃止」の法律が決定したとき、以下のように整備されました。
「事業年度末までに支給する賞与の額が受給者に通知され、その後速やかに(1ヶ月以内)支払われるものであること等の要件に該当するものは、未払金として費用に計上することを認める(法人税法施行令134の2(一部表現変えている))」
大切な点は、
★決算期末までに通知されていること
★その後、1ヶ月以内に支払いされていること
加えて、上記法令には書いてありませんが、
★支給までの1ヶ月の間に、仮に退職することが明らかになって「払いたくないなー」と思っても、確定計上したものは払う!
★通知した日を起算日として1ヶ月なのか、決算期末を起算日として1ヶ月なのか、明確な取り扱いが出ておりませんので、出来るだけ支給するということの確定と、支払を後にズラしたいのでしたら、通知は決算期末に近いところで行うのが無難でしょう。
決算期が仮に5月の企業の場合、1ヶ月後とは6月ですが、従来7月や8月に賞与を支給することにしていたスケジュールを、5月までに確定させて、6月支給に変更することも、急な節税対策には有効な手段です。
また、決算賞与の支給を検討されている場合は、業績を早めにつかんで、決算期末までに決算賞与を確定させて、速やかに支払うことも有効な節税手段です。
ということは、日頃から会計を速く処理し、的確な業績をつかんでおくことは、経営に役立つということです。