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杉下税務会計事務所
税理士 杉下成之
〒630-8241
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恵和ビル5階
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その他
役員報酬の支払い時期について
「役員報酬の支払いを毎月きっちり実行していない」ということはないでしょうか?「取れる時に取る!」という発想だけでは「役員賞与」として扱われることがあるので注意が必要です。
役員報酬は税務上の経費になり、役員賞与は税務上の経費にならないことは周知のとおりであります。法人税法第34条、第35条や関連する通達から一言でいうと、以下のとおりです。
■役員報酬とは、「役員に対する給与(定期的な給与)」
■役員賞与とは、「役員に対する臨時的な給与」
臨時的な支給は、ほんの一部の例外を除いて「役員賞与」=「税務上の費用にできない」ことになっております。役員に支給された給与が報酬となるか、賞与となるかは、実際に支給された給与が定期的か、臨時的かという支給形態や外形によって判断します。すなわち月以下の期間を単位として、リズムよく一定の金額を支払っていく必要があります。支払とは、「計上」することだけではなく、実際に現金が動いているという事実も要求されます。
国税不服審判所の平成元年6月7日の裁決では、毎月の役員報酬の一部を「未払金」にしておき、従業員のボーナスと同じ季節に、過去の未払分を支給していたことについて、税務調査で「役員賞与だ!」と指摘され、税不服審判所でもその判断はひっくり返りませんでした。
その理由としては、以下のような事実だからと解釈されます。
★1 この役員報酬について、決められた支給基準に基づいてその全額を支払うことができない事情がない。(資金繰りが苦しいわけでもない)
★2 毎月の役員報酬の一部を未払金とし、おおむねその額を盆・暮れの従業員に対する賞与の支給時期に支払っている。
★3 賞与の支給時期に支払った金額は、未払金勘定の残高を超える金額であることから、未払金勘定に赤字が生じているが、この赤字の金額を各事業年度末においては、その残高がちょうど零円となるように、その後の役員報酬の未払金で補てんしている。

このことから、当初から役員賞与として支給するものを形式的に定期の給与に並べたものにすぎない、とされ「役員賞与」=税務上の費用にできない!と判断されました。
また、平成6年4月15日の裁決でも、同様のパターンの争いがあり、企業側が負けています。このケースでは「源泉徴収」もからんでいます。
★4 未払の給料というものからは所得税を徴収して納税することは本来必要ありません。すなわち、給料をもらってない人から税金だけを徴収することが出来ないからです。しかし、今回の企業は、「年末調整段階で未払金が残っていても源泉所得税を納めている。税金がかかったものを、取れる時に取るのは自由だ」という感覚で主張しましたが審判所は納得しないようです。
★5 でも、問題とされる事実の一つに「給与明細書の書き方」にも問題がありました。実際に支給した金額については「基本給」欄に記載されているのに対して、未払金額については「仮払金」と記載されている欄に記入されていたことです。
★6 また、振替伝票によれば、この未払金については、事業年度末又は事業年度の途中において一括計上されていました。
以上のことから、この未払金に相当する支払は、定期の給与と認めることはできず、すなわち「役員賞与」という考え方です。
【対策】
資金繰りに支障が出る可能性がある場合、経営者としては自らの犠牲を払って、役員報酬支給を保留したりすることはあります。それは立派な行動です。しかし、処理方法を誤ると役員賞与になってしまい、非常に残念な課税が行われます。
従いまして、可能な限り役員報酬を規定通り一旦支給して、資金繰り問題については、改めて「金銭消費貸借契約」に基づく、「お金の貸し借り」をおこなっていただくことが対策と考えられます。もちろん源泉所得税も毎月きっちり計上します。
また、本当に「ボーナスが欲しい」と思っておられる役員の皆様は、皆様が一般従業員だった時代の「夏・冬のボーナスの習慣」は早く忘れましょう。