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杉下税務会計事務所
税理士 杉下成之
〒630-8241
奈良市高天町48番地の5
恵和ビル5階
TEL0742-21-7600
相続・贈与
代償分割を行う場合の留意点
資産家に相続が開始すると、巷間では揶揄的に「争族」と呼ぶように、相続人間で早期・円満な遺産分割をまとめることは至難のようです
●協議分割における価額調整としての代償分割
遺産分割における協議分割の方法には、
「指定分割(被相続人の遺言によるもの)」
「審判分割(家裁の審判によるもの)」
「現物分割」
「換価分割」
「代償分割」などの方法があり、これらの方法のうち任意の方法により分割することができます。
実際には遺産の種別や構成が相続人間で分割を行うのに適しているとは限らないので、現物分割の方法のみでは、当事者の合意が得られないことがあります。そのような場合における分割対象財産の価額調整機能をもつ方法として「代償分割」があり、近時では、この代償分割は広く利用されるようになりました。
ただ、遺産分割としての効果以外の役割を期待した分割を行うと、次のような「思わぬ不利益」を招くこともあるので、十分注意しましょう。
■代償分割の誤った利用による課税上の不利益
―生命保険金・死亡退職金を代償金とする代償分割―
財産の受取人等が別途に本来の相続財産を取得すると、相続開始時に収受可能な多額の一時金を代償分割に係る代償金の支払原資として有効活用することで、相続人間の円滑な分割に寄与することができます。
しかし、この場合に、相続人の一人が多額の保険金や退職金を取得したからといって、被相続人の遺産を取得することなく代償金を支払うと、その支払額は、遺産分割に伴う代償金ではなく、相続財産でない保険金や退職金を原資とする「金銭の贈与」に他ならないことになり、その支払を受けた者に贈与税が課税されます。
また、保険金や退職金の取得者が相続により遺産を取得した場合でも、その取得遺産の価額を超える代償金を支払うと、その超過部分の金銭も、遺産分割による支払ではないので「贈与」となります。
例えば、長男が取得した死亡保険金3,000万円の全額を、代償分割に係る代償金として次男に支払った場合において、長男が別途取得した遺産額が2,000万円であるときは、差額の1,000万円は、次男に対する贈与税の課税対象とされます。
なお、このことは、他の固有財産を原資として代償金を支払う場合でも同様です。